SBI、25年度から給与1割引き上げ　住信SBIも初任給33万円に増額

【東京本局 = 経済】SBIホールディングスは29日、今年4月から従業員の給与を平均10%程度引き上げると発表した。人事考課および360度評価で平均以上の評価を得た従業員が対象となる。新卒の初任給も現行の月額30万円から34万円へと13.3%引き上げる。持分法適用会社の住信SBIネット銀行も4月入社の新卒初任給を30万円から33万円に引き上げることを決めた。

SBIホールディングスは、デジタル技術を活用した金融サービスの開発・提供を強化しており、高度な専門性を持つ人材の確保が急務となっている。今回の給与水準引き上げについて、同社は「人的資源こそが最も価値ある戦略的資源」との認識を示した。

住信SBIネット銀行の酒井剛士執行役員は、日本経済新聞の取材に対し「人材獲得の競合相手が銀行ではなくなってきている」と指摘した。同行は23年4月に初任給を8万円引き上げて30万円とし、今春さらに3万円上乗せする。3年間で11万円の引き上げとなり、残業代を含めると40万円台に達する見通しだ。

銀行業界では三井住友銀行が26年4月入行から初任給を30万円に引き上げるなど、各社が待遇改善を急いでいる。りそな銀行と埼玉りそな銀行も28万円に引き上げ、専門人材については30万円超の水準を設定する。

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