日経平均、2ヶ月ぶり一時4万円台 日銀利上げ観測後退
【東京本局 = 東証】(東京、12日、株価は前引け時点)12日の東京株式市場で日経平均株価は反発した。前引けは前日終値と比べて508円87銭(1.29%)高い3万9881円10銭。前日までにブルームバーグ通信が日銀関係者の話として「追加利上げを急がない」と報じた。懇談会の日程などを踏まえて1月の追加利上げ観測が盛り返す中、12月との見方が縮小した。外国為替市場でドル高円安となっていることも追い風だ。
前日の米国市場でナスダック総合指数が最高値を更新し、2万ポイントの大台に乗せた。
東京市場でも寄り付きからハイテク株を中心に買いが集まった。始値は477円74銭高い3万9849円97銭。その後も先物主導の買いが途切れず、日経平均は前場中ごろに4万円台に復帰する場面があった。東エレク(0.6%)やアドテスト(4.1%)、ソフトバンクグループ(1.8%)が日経平均を押し上げている。
ソニーGは連日で高値更新。前日に分割考慮後の上場来高値を25年ぶりに更新した。新値街道をまい進し、上値指向が鮮明だ。前引けは2.68%高い3452円だった。
前日に決算を発表したくら寿司(15.5%)は腰抜かし急落。前日の大引け後、大阪万博の出店で記念配当を創設し年間配当を40円とする一方、株主優待を廃止すると発表した。海外投資家へのメリットが少ないためとしている。あわせて、今期(25年10月期)の連結純利益が前期比5.4%増の52億円になりそうだと発表した。営業利益は12.3%減の50億円になる見通しだとした。純利益はコンセンサスの52.4億円と同等だが、営業益が同86億円を4割下回る水準ともあり、個人投資家と機関投資家のダブルパンチをくらった。
グロースのプラスゼロ(17.9%)は大幅続伸。前日に発表した決算が好調だった。
アプリ開発のgumi(12.1%)は急動意。前日発表の上半期決算が好調だった。
VTuberのエニーカラー(6.4%)は6日続伸で駆け上がり、なお余裕ありの格好を見据える。前日に発表した24年5-10月期の連結純利益は、前年比4.1%増の46.8億円だった。2Q単体では64.7%増の28億円と足元絶好調に釣られた買いが集まっている。
マネックス(1.2%)は朝高後下げに転じる。午後も安い。朝方には、前日に暗号資産交換業を営む子会社のコインチェックがナスダック市場に上場したことを好感した買いが先行し9%高と健闘した。ただ同社株は9月末の600円から足元で1200円に水準を切り上げており、過熱感を警戒した益出しが優勢になった。