クレカ信用スコア、11月末から個人向け開示へ CICが新サービス
【東京本局 = テクノロジー】信用情報の一元管理を手掛けるCICが、個人向けの信用スコアリングサービスを来月28日から始めることがわかった。消費者の信用力を200点から800点までの数値で可視化し、インターネットまたは郵送での開示請求に応じる。約800社が加盟する信用情報機関が統一基準を提供することで、消費者が信用情報を把握しやすくなる。
クレジットカードの利用実績や消費者ローンの返済履歴などを基に、独自のアルゴリズムで個人の信用力を数値化する。スコアの算出には年収や年齢などの属性情報は含まれず、実際の取引履歴のみを考慮する仕組みだ。消費者は自身のスコアに加え、「期日通りの支払いが継続」といった評価理由も最大4項目まで確認できる。
さらに、ホームページで信用スコアの分布図を公開し、消費者自身のスコアが全体のどの位置にあるかを把握できるようにする。スコアの低い人が自助努力でスコア向上に努めれば、延滞件数が減少する可能性もある。継続的に開示すれば推移を記録することができるようになる。
25年4月からは加盟企業向けにも個人スコアの提供を始める。米国では同様の仕組みとして「FICO」が普及しており、クレジットカードの審査だけでなく、賃貸契約時の与信判断にも活用されている。ただCICは、スコアの利用目的を加盟企業の与信審査に限定する方針だ。
サービスの利用料金は、インターネット経由で500円、郵送での請求は1500円。CICは現在、クレジットカードの審査に落ちた消費者向けに、金融機関ごとの契約内容や支払い状況といった取引履歴を開示する仕組みを提供している。スコアリングを開示することで、消費者が自分の信用情報を把握しやすくする狙いがある。
国内の信用情報機関は、CICのほか日本信用情報機構(JICC、加盟約1200社)や全国銀行個人信用情報センター(KSC、加盟1070社)が存在するが、個人向けの信用スコアを数値化して開示するのはCICが初めてとみられる。