日経平均、反発 743円高 円安、米ハイテク株高が追い風
【東京本局 = 東証】3日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に反発した。終値は743円30銭(2.0%)高の3万8552円06銭。同日の外国為替市場でドルが対円相場で急伸し、一時147円台を回復した。日経平均の上げ幅は一時1000円を超えた。ただ午後に入ると円買いに押され、午後3時現在では146円台50銭まで上げ渋った。日経平均も歩調を合わせ、後場に入ると上値が重かった。
ファストリの既存店売上高が前年同期比で2割増だったことも追い風に、輸出関連銘柄に買い注文が殺到した。前日の大引け後、植田総裁と面会した石破首相が「個人的には、今利上げできる環境だとは思っていない」と発言。円買い勢は梯子を外される格好となり、急速なドル高円安が進んだ。年内の利上げ観測が縮まり、景気敏感株であるハイテク株も連れ高となった。前日の米株式市場で、フィラデルフィア半導体株指数が1.2%高と好調だったことも半導体関連株の追い風となった。
東証プライムの値上がり株数は1291と、全体の8割に迫った。値下がりは309、変わらずは45だった。プライムの売買代金は概算で4兆2946億円だった。
ファストリ(3.7%)は反発。前日の取引終了後、ユニクロの9月既存店売上高を公表した。前の年の同じ月と比べて22.1%増となった。増加は6ヶ月連続で、好調な売り上げから投資家の期待感に買われた。
良品計画(2.9%)は4日ぶりに切り返し急。2日に発表した既存店売上高が前の年の同じ月と比べて13.4%増収だったと発表し、買い材料視されている。増収は8ヶ月連続。
このところ株価が軟調に推移する東電HD(3.1%)は大幅反発。石破首相が明日、衆参両院で行う所信表明演説で、原発の利活用を推進する発言が組み入れられるとの観測報道が伝わり、再稼働を期待した買いが集まった。
決算を発表した西松屋(1.2%)は朝方の売りをこなし、上げに転じた。2日に発表した上半期の単独決算は、売上高が5.7%増の935.2億、営業利益が前年同期比4%増の70.2億円だった。合わせて発行済み株式数の0.4%にあたる24.3万株、金額にして5億円を上限とする自社株買いを発表。中間配当も1円積み増したことが評価された。
ニトリ(1.6%)は3日反落。東京外国為替市場でドル高円安が進み、円高恩恵株の筆頭とも言える同社株には引き続き売りが浴びせられた。