トヨタ、25年3月期第1四半期純利益1.7%増 認証不正の影響限定的
速報 13:27 最終更新 13:33
【東京総合 = 個別株式】トヨタ自動車が1日発表した2025年3月期第1四半期(4〜6月)の連結純利益は、前年同期比1.7%増の1兆3333億円だった。売上高は12.2%増の11兆8378億円で、営業利益は16.7%増の1兆3084億円で過去最高だった。ハイブリッド車(HV)の販売が引き続き好調だったことに加え、円安による押し上げ効果が寄与した。
決算発表を受け、東京株式市場でトヨタの株価は下げ足を速め、下げ幅は一時8%超まで拡大した。認証不正問題の影響や、円高進行による今後の業績への懸念が売りを誘った形だ。
今期通期の連結業績は、売上高が前期比2%増の46兆円、営業利益が19.7%減の4兆3000億円、純利益が27.8%減の3兆5700億円になりそうだとの予想を据え置いた。世界販売台数は950万台で変更しなかった。想定為替レートは1ドル=145円。
第1四半期の自動車事業の営業利益は前年同期比18.2%増の1兆1179億円。為替変動の影響が大きく寄与した。一方で、販売台数は日本、海外を合わせた連結ベースで225万2000台と、前年同期比3.2%減少した。国内販売が認証不正問題の影響で20.8%減と大幅に落ち込んだものの、海外販売が2%増となり、全体への影響は限定的だった。
6月に発覚した認証不正問題については、「ヤリスクロス」など3車種の生産停止による影響は月間約90億円と試算されている。今回の決算ではその影響は軽微にとどまったが、今後の進展によっては業績への影響が懸念される。
金融事業の営業利益は8.4%増の1597億円。米国の販売金融子会社での融資残高増加が寄与した。
足元では円高が進行しており、一時1ドル=148円台まで円高が進んだ。トヨタの想定レートである145円を上回れば、今後の業績に影響を与える可能性がある。
トヨタは政策保有株の縮減も進めており、7月にはMS&ADインシュアランスグループホールディングスや東京海上ホールディングスなどの株式を売却すると発表。また、1兆円を上限とする自社株買いも実施する方針を示している。