日銀、政策金利を0.25%に引き上げ 国債購入も段階的に減額へ 振り返りフォーマット
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日銀、政策金利を0.25%に引き上げ 国債購入も段階的に減額へ

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【東京本局 = 経済】日銀は30日〜31日に開いた金融政策決定会合で、政策金利の追加利上げを決めた。短期金利の誘導目標を従来の0〜0.1%程度から0.25%程度に引き上げる。また、国債購入額を段階的に減らす具体的な計画も決定した。

発表を受けて、31日午後の東京株式市場で日経平均株価は上昇に転じ、前日比100円ほど高い3万8600円台まで上昇する場面がある。金利上昇による業績拡大が意識されやすい三菱UFJ(△2.4%)など銀行株が急伸している。円は発表直後に一時買われたが、その後は1円以上円安が進行するなど激しい値動きとなっている。

日本銀行
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政策金利を現在の0〜0.1%から0.25%へと引き上げる。これは2008年以来、16年ぶりの水準だ。賛成7、反対2で可決された。反対票を投じた中村委員は次回会合で法人企業統計等を確認してから判断すべきとし、野口委員は賃金上昇の浸透による経済状況の改善をより慎重に見極める必要があるとの立場を示した。

長期国債買入れの段階的な減額計画も発表した。現在の月間5.7兆円程度の買入れ額を、2026年1〜3月期には3兆円程度まで減らす方針だ。原則として四半期ごとに4000億円程度ずつ減額していく。ただし、長期金利が急激に上昇する場合には、機動的に買入れ額の増額や指値オペ、共通担保資金供給オペなどを実施するとしている。歴史的な円安については「企業の賃金・価格設定行動が積極化するもとで、過去と比べると、為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている面がある」と指摘した。

背景には、日本経済の着実な回復がある。企業部門では収益が改善し、設備投資は緩やかな増加傾向にある。家計部門では、物価上昇の影響はあるものの、個人消費は底堅く推移している。特に注目されるのは賃金面での改善だ。春季労使交渉では前年を大きく上回る賃上げが実現し、水準としては30年ぶりだった。その動きが幅広い地域・業種・企業規模に広がっている。

物価面では、既往の輸入物価上昇を起点とする価格転嫁の影響が減衰する一方、賃金上昇を販売価格に反映する動きが強まっている。特にサービス価格の緩やかな上昇が継続している点が重要だ。また、企業や家計の予想物価上昇率も緩やかに上昇しており、将来の持続的な物価上昇につながる可能性がある。

日銀は今回の決定について、「2%の物価安定の目標の持続的・安定的な実現という観点から、金融緩和の度合いを調整することが適切」と判断したと説明している。ただ、政策金利引き上げ後も実質金利は大幅なマイナスが続くため、緩和的な金融環境は維持され、経済活動は引き続きサポートされるとの見方を示している。

今後の金融政策運営については、経済・物価・金融情勢次第としながらも、今回の「展望レポート」で示した見通しが実現していく場合、さらなる政策金利の引き上げと金融緩和度合いの調整を行う可能性もある。

2024年度の実質GDP成長率は0.6%と、4月時点の0.8%から下方修正した。一方、2025年度と2026年度はそれぞれ1.0%で据え置いた。消費者物価指数(生鮮食品を除く)の上昇率見通しは、2024年度が2.5%、2025年度が2.1%、2026年度が1.9%とする。特に2026年度の見通しは4月時点と変わらず1.9%となっており、日銀が中長期的に2%の物価安定目標の達成を視野に入れていることがうかがえる。

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