政府、次世代半導体量産に向け新法整備へ 岸田首相、今日表明
namiten
【東京総合 = テクノロジー】政府は次世代半導体の大規模量産や研究開発支援に向け、来年の通常国会で関連法案を提出する方針を固めた。複数のメディアが24日までに報じた。岸田首相が24日に北海道千歳市で次世代半導体の国産化を目指すRapidas(ラピダス)の新工場を視察した後、表明する見通しだ。
半導体は「産業のコメ」とも称され、スマートフォンや自動車など幅広い製品に使用される重要部品だ。地政学的な背景や、経済安全保障の観点から国内生産の重要性が高まっており、法整備の推進で安定的な供給体制の確保を目指す。
Rapidasは2027年に世界最先端となる2ナノメートル(ナノは10億分の1)の半導体の量産開始を目指して研究・開発を進めている。政府はすでに最大9200億円の支援を決定しているが、最終的に必要となる投資額は5兆円規模に達するとみられ、巨額の資金調達が課題となっている。
新法では、Rapidasへの投融資を政府が保証する制度の創設や、研究開発支援の拡充などが検討されている。一民間企業に対する政府保証の制度作りは異例だが、官民一体となって半導体産業の国際競争力強化を図る狙いがある。
Rapidasの東哲郎会長は、同社などの半導体関連産業が2036年ごろまでに北海道内総生産(GDP)に及ぼす累計の効果について「試算では18兆4000億円の付加価値が出る」と述べており、地域経済への波及効果も期待されている。
一方、特定企業への巨額支援に対しては賛否が分かれている。政府は半導体を経済安保上の重要物資と位置づけ、関連売上高を拡大する目標を掲げている。
岸田首相は視察後、関係省庁に対し関連法案の具体的な内容の検討を指示する見通しだ。
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