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日本、29年までGDP世界3位維持も 円相場足踏みなら来年5位転落

namiten

【東京本局 = 政治】円高が進めば、日本が少なくとも2029年までGDPで世界3位を維持する可能性があることがわかった。民間シンクタンクが調査し、産経ニュースが21日報じた。

25年時点の円相場が124円程度まで上昇していることが条件となる。足元では1ドル=157円近辺で推移しており、見通しは不透明だ。現状の円安水準が続けば、25年にもインドに抜かれて5位に転落する。

日本銀行
日銀

アジア太平洋研究所の稲田義久氏が、IMFやS&Pグローバルなどのデータをもとに算出した。日本がGDPランキングで3位を維持するには、25年時点の円相場が1ドルあたり123.9円、29年は同104円程度まで上昇することが前提となる。

日本が利上げを進める一方で、米国が利下げに転換した場合の想定だ。日本の金融政策を担う日銀は、25年に6回程度利上げを行うと市場は見ており、反対に米国は利下げを4回程度行う。日銀とFRBで1回あたりの政策金利の変動幅がそれぞれ異なるため単純比較はできないが、2国間の金利差は縮まる。トランプ前大統領が今年の大統領選で勝利すれば、主要通貨に対してドル安が進行するとの見方も後押しする。

IMFが円ベースで試算した日本のGDPは、25年に631兆円、29年に700.3兆円だ。S&Pグローバルが想定する水準で円高が進めば、日本のドルベースGDPは25年に名目GDPが5.1兆ドル、29年には6.7兆ドルまで成長する。急成長するインドや23年のドルベースGDPで日本を抜いたドイツを上回る。

もっとも、ドルベースのGDPは自国通貨と対ドル相場の兼ね合いの面が大きい。円が1ドル=140円台で足踏みを続けると、25年にもインドに抜かれて世界5位へと転落する。アジア太平洋研究所は29年に104.9円まで円高が進むと想定するが、IMFは140円台に留まると予測している。

ドルベースGDPは国家の競争力を図る上で重要視される。日本の利上げが計画通りに進むには、2%の物価上昇や、それを上回る賃上げが不可欠だ。

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