OpenAI、TIME誌と提携へ 著作権問題の懸念対処
namiten
【東京総合 = テクノロジー】米新興OpenAIは27日、米TIME誌と複数年にわたる戦略的パートナーシップを締結したと発表した。OpenAIはTIME誌の101年にわたるアーカイブコンテンツへアクセスできるようになる。ChatGPTをはじめとする自社製品の機能強化に活用する。
TIME誌の現在および過去のコンテンツを自社製品に組み込み、ユーザーの問い合わせに対して表示できるようにする。その際、元の記事への引用とTime.comへのリンクを付与する。TIME誌にとっては、アクセス数を拡大する取り組みの一環となる。
TIME誌のマーク・ハワード最高執行責任者(COO)は「101年の歴史を通じて、TIMEは信頼できるジャーナリズムの提供方法を技術とともに進化させるためにイノベーションを受け入れてきた」と述べ、今回の提携がTIMEのミッション達成に寄与すると強調した。
OpenAIのブラッド・ライトキャップCOOは「AIツールを通じてニュースコンテンツへのアクセスを容易にし、適切な出典表示により信頼できるジャーナリズムをサポートする」とコメントした。
OpenAIはTIMESと提携することで、高品質なコンテンツへのアクセスを確保する。AIの学習素材で懸念が高まる著作権問題への解決の糸口にもなる。同社は今年5月にも米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)を傘下に持つNews Corporationと同様の提携を発表しており、大手メディアとの関係構築を積極的に進めている。
一方で、すべてのメディアがAI企業との協力に前向きというわけではない。昨年12月には米ニューヨーク・タイムズ(NYT)がOpenAIとMicrosoftを相手取り、著作権侵害で提訴する事態が起きた。
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