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Appleのティム・クックCEO「AI活用でiPhoneの利用時間減る」 収益源に影響も

namiten

【東京総合 = テクノロジー】Appleのティム・クックCEOは13日、新機能の「Apple Intelligence」の利用が広まれば、ユーザーのiPhone利用時間が減る可能性があると指摘した。米国の人気YouTuberとのインタビューで語った。

10日に開催された年次開発者会議「WWDC24」で発表されたApple Intelligenceは、iPhoneやiPadなどに搭載されるAIアシスト機能だ。Siriの機能強化や、Safariで閲覧中のページを要約したりできる。クック氏は「Apple Intelligenceの機能向上で、これまで時間のかかっていたタスクの所要時間が短縮されるだろう」とした。メールから母親の到着時間を抽出し知らせる機能や、ユーザーの書いた文章を状況に合わせて推敲する「ライティングツール」などを例に示した。

インタビューの中でクック氏は、「iPhoneの使用時間が短くなる可能性はあるか」との質問に対して「非常に高い」と語った。生成AIの発展がビジネスに与える影響を認めたことになる。AI活用によってユーザーの利便性が高まる一方、デバイスの利用時間減少はAppleが近年力を入れているソフトウエア事業の売上高を圧迫する可能性がある。

大手IT企業がAIの積極的な活用に懸念を示した例は少なくない。OpenAIと競合するGoogleも、検索エンジンにAI機能を組み込むことについては慎重姿勢を貫いてきた。検索結果にAIの回答を表示することで、同社の広告配信システムを使ったサイトに移動するユーザーが少なくなる可能性があるからだ。同社の売上高で、広告収益は大半を占める。

一方でクック氏は「我々のビジネスモデルはエンゲージメントを必要とするものではない」とも強調。「ユーザーにツールを与えて、そうでなければできなかった素晴らしいことをできるようにすることがモチベーション」と語った。同社はこれまでもスクリーンタイム計測機能など、iPhoneの利用時間をユーザーに意識させる仕組みを導入してきた経緯がある。

13日の米株式市場で、Appleの時価総額は一時的にMicrosoftを抜いて世界1位になった。終値ベースではMicrosoftが上回った。

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