シティスカ2、PS5版の発売を2024年10月以降に延期
【東京総合 = エンターテインメント】今春をめどとしてたシティスカ2コンソール版のリリースについて、最適化作業の遅れの影響で、発売時期が10月以降にずれ込んでいたことが18日、分かった。最短でも今年10月になる見込みで、開発が順調に進まなければ、さらに後ろ倒しになる可能性もある。開発元のコロッサル・オーダー(フィンランド)と、販売元のパラドックスインタラクティブ(スウェーデン)が、共同声明で同日発表した。
声明の中で両社は、PS5とXbox Series X|S向けのコンソール版のリリース時期について「確約はできない」と前置きした上で、「少なくとも2024年10月以降」になるとの見方を示した。
Cities: Skylines IIは、2015年発売の前作Cities: Skylinesの続編として開発され、グラフィックの大幅強化や経済、交通、市民シミュレーションの拡張、四季の変化といった新要素の追加などで注目を集めていた。しかし、発売直後からパフォーマンスの問題が指摘され、最新鋭のグラフィックボードを搭載した環境でもフレームレートが20fps程度にまで落ち込む不具合などが話題に。修正パッチの配信で暫定的に解消されたものの、ゲーム動作は不安定な状態に陥りやすく、根本的な解決には至っていない。
3月末にリリースした有料DLC「Beach Properties」も、品質の低さから大きな批判を浴びた。両社は共同声明でDLCについて「実現性の薄いスケジュールを立ててしまった」と認め、当該DLCの無償化と可能な限りの返金を行うことを発表した。
また声明では、当初はPC版と同時の2023年秋を予定していたPS5とXbox Series X|S向けの進捗状況についても明らかにした。コロッサル・オーダーCEOのマリーナ・ハリカイネン氏は「Cities: Skylines IIを、我々が必要と考えているコンソールリリースの最適化レベルに到達させるのに苦労している」と述べ、発売時期が早くとも2024年10月にずれ込むとの見通しを示した。長期に渡って待たされているコンソールユーザーの不満は高まることが予想される。
ハリカイネン氏は声明の中で、コンソール版の品質確保に注力するあまり明確な発売時期を示せなかったことを詫びつつ、10月の発売を目指すとしたが「ビルドの進捗次第では確約はできない」として、さらなる延期の可能性も否定しなかった。リリース時期をこれまで明言してこなかった理由については、「ゲームの品質に不確実性があり、確実に守れるとは言い切れない約束を避けるため」と説明した。
PC版の問題に関しては、パラドックスインタラクティブ副CEOのマティアス・リリア氏が「ゲームの欠点を非現実的なスケジュールで修正できると考え、未完成のDLCを性急にリリースしてしまった」と謝罪した。将来的にはコミュニティとの対話を重視し「過去の過ちを繰り返さない」と誓った。
声明では今後の方針転換も打ち出した。今後数カ月はベースゲームとModツールの改善に完全に注力し、新たな有料コンテンツの開発は後回しにする。この影響で有料DLCの「Bridges and Ports」拡張パックのリリースが2025年にずれ込むことになる。
また、ゲーム開発へのアプローチとコミュニティとのコミュニケーションのあり方も見直す。プレイヤーの代表者とコロッサル・オーダー、パラドックスインタラクティブによる諮問会議を設け、今年の開発計画について議論。コミュニティと協力して「過去に犯した過ちを繰り返さず、ゲームを明るい未来へと導く」としている。