「強いアメリカ」再び 米3月雇用統計、非農業部門30万人 市場予想大幅に上回る 振り返りフォーマット
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「強いアメリカ」再び 米3月雇用統計、非農業部門30万人 市場予想大幅に上回る

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【東京総合 = 経済】米労働省は5日、3月の雇用統計を発表した。非農業部門で構成する就業者数は前月と比較して30.3万人増加した。事前に取りまとめられていた市場予想20万人を大幅に上回った。前日にはカシュカリ・ミネアポリス連銀総裁が「インフレ改善が停滞した場合、年内利下げを実施しない可能性がある」と述べており、年内の利下げ期待が再びしぼんでいる。失業率は予想通り3.8%と低かった。市場は再び「強いアメリカ」のしぶとさを見せつけられた格好だ。

ワシントンDC- 2022年9月6日:米国労働省パーキンスビル
米労働省

米労働省が5日発表した3月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が前月比30万3000人増と、市場予想の20万人増を大きく上回った。失業率は3.8%へ低下し、4%を下回るのは26カ月連続。米経済は人手不足が定着し、雇用は強い勢いを維持している。

1月と2月の雇用者数はそれぞれ修正された。3月はヘルスケアや政府部門のほか、建設やレジャー分野での伸びが目立った。雇用増は供給面では移民流入や働き盛り世代の職場復帰など労働人口の増加で、需要面では好調な経済を背景にした企業の旺盛な求人に支えられている。2月の求人件数は875万件と、コロナ禍前の最高値を100万件以上上回る高水準だ。

一方、賃金上昇圧力は弱まりつつある。3月の平均時給は前年同月比4.1%増と、2月の4.3%から伸びが鈍化。転職者の給与上昇率も、アトランタ連銀の試算で2月は前年比5.3%とピークの22年7月から大幅に縮小した。企業の人材確保のための賃上げ圧力は後退している。

連邦準備理事会(FRB)は物価の安定と雇用の最大化という2つの使命の下、政策金利を5.25%~5.5%の高水準に維持。利下げ開始時期を慎重に見極めている。3月の連邦公開市場委員会(FOMC)では、向こう数年の失業率見通しが4%前後で安定すると予想された。

堅調な雇用とインフレ率の急速な鈍化を受け、FRB高官らは経済の軟着陸(ソフトランディング)への道筋をたどる現状を歓迎。ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は4日、利下げを急ぐ必要はないとの認識を示した。金融市場でも今回のデータを受け、年内の複数回の利下げ観測が後退している。

11月の大統領選が近づくにつれ、月次雇用統計はバイデン大統領の再選にとってますます重要になってくる。バイデン氏は就任以来の雇用創出を強調してきたが、世論調査では経済運営への不支持が目立っている。労働市場の力強さが票につながるかが焦点だ。

ハマス・イスラエル軍事衝突も相まって、世界はリスクオフに強く振れている。金は各国市場で急上昇し、過去最高値をつけた。金利差を意識した円安も進んでいる。

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