OpenAI、アダルトコンテンツの生成容認の構え ユーザーからの「強い要望」受け
【東京本局 = テクノロジー】OpenAIはアダルトコンテンツの生成を限定的に容認する考えだ。ユーザーからの強い要望を受けて従来の方針を転換する。対話型のChatGPTや画像生成のDALL-Eでの導入を想定しており、利用者の年齢確認を前提とした「成人向けモード」を新設する。
OpenAIが日本時間13日、公式サイトで公開しているモデル仕様に関するページで言及した。APIと公式サイト上のモデルが対象になる見通しだ。ディープフェイクやリベンジポルノ(元交際者の性的コンテンツ)の生成を試みることは引き続き禁じる。
OpenAIは昨年に非営利団体をトップとする企業統治を改め、営利企業をトップに据える構造改革を行うと発表した。従来は倫理的な観点から慎重な姿勢を示してきたが、今後は営利目的での方針転換が相次ぐ可能性がある。
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OpenAIは数週間以内にGPT-4.5を発表する。GPT-4.5は段階的推論(CoT)を用いない最後のモデルになる見通しだ。数ヶ月以内に登場する次期主力モデルの「GPT-5」は、現行の「GPTファミリー」とCoTモデルの「o-1系ファミリー」を統合し、双方の特性を活かした新アーキテクチャの構築を目指す。
CoTを活用したモデルは、従来から比較的容易に制限を回避できるとの指摘があった。利用規約に違反する内容でも自己判断で処理し、不適切な回答を生成する傾向が見られた。日本経済新聞社が定期的に実施している「AI Modelスコア」でOpenAIのo-1は、「不適切回答の抑制」の項目で偏差値が51と他項目に比べて突出して低かった。全96モデル中52位と半数を下回る。道徳性も偏差値55と、総合評価の同71と比較して課題を残した。
今回の規約変更は「安易に脱獄できることを認めた現実的な判断だ」とする見方もある。制限を容易に突破できる現状で、明確なガイドラインを設けることで適切な利用を促す狙いがあるとみられる。