日特陶、東芝マテ買収へ 1500億円 EV・半導体向けセラミック部品強化
namiten
【東京本局 = テクノロジー】(プライム、コード5334、20時00分)日本特殊陶業(日特陶、特殊陶)は25日、東芝マテリアルの全株式を東芝から約1500億円で取得し、完全子会社化すると発表した。2025年5月末までの買収完了を目指す。東芝マテリアルが持つEV向けベアリングに使用される「窒化ケイ素ボール」やインバーター向けパワー半導体に用いられる「窒化ケイ素放熱基板」などの技術を取得し、非内燃機関事業の拡大する狙いがある。
東芝マテリアルは、ファインセラミックス、蛍光材料応用製品、磁性材料部品、タングステン・モリブデンなどの部品・材料の開発、製造、販売を手がける。24年3月期の連結売上高は前期比22%増の345億4000万円、営業利益は同41%増の54億8600万円と好調に推移している。
日特陶は主力の内燃機関事業を強固にすると同時に、非内燃機関事業の規模拡大を図る両輪での事業展開を進めている。「環境・エネルギー」「モビリティ」「医療」「情報通信」の4分野を注力領域と位置付け、セラミック素材技術と親和性の高い領域から本格的な事業化に向けた投資を進めている。東芝マテリアルが持つ材料設計技術やプロセス技術を活用し、グローバルネットワークの活用を通じた顧客基盤の拡充を目指す。
取得株式数は1万株(議決権所有割合100%)。国内外の競争法当局によるクリアランスその他の法令上必要となる関係当局の許認可等の状況により、株式譲渡実行日が変更される可能性がある。
日特陶の手元資金は24年9月期末で1890億円。25年3月期の連結純利益は横ばいの830億円を見込む。先月31日に通期の業績を上方修正し、一転増益になりそうだと発表していた。
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