米司法省、GoogleにChromeの売却要求 独禁法訴訟
namiten
【東京本局 = テクノロジー】米司法省はウェブブラウザ市場で6割のシェアを握るChromeを売却するようGoogleに要求する。8月の独占禁止法違反判決を受けた是正措置の一環と見られる。一方、Googleは医療事業を担う子会社のVerilyを来月16日までに独立させる。Googleは創業以来の構造改革を迫られている。
司法省は来年4月に予定される公聴会で、Chrome売却に加え、検索エンジンのライセンス提供義務化や、スマホOS「Android」とGoogle検索の分離なども求める。AI関連ではウェブサイト運営者に対しAI学習を拒否できる権利を付与するよう要請する。公聴会の内容を精査し、連邦裁判所の判事が25年8月までに結論を出す。
Chromeの売却が実現すれば、1990年代に司法省がWindowsとIEブラウザの抱き合わせ販売が独禁法(反トラスト法)に違反するとして、Microsoftに事業分割を要請した一連の騒動以来の大規模提案になる。
一方、Googleは構造改革の一環として医療技術子会社のVerlyを将来的な新規上場(IPO)も視野に独立させる。同社は2015年にGoogleの先端研究部門から独立。網膜スキャン技術や臨床試験管理システム、AIを活用した慢性疾患管理プラットフォームなどを手掛ける。19年には親会社主導で10億ドルの資金調達を実施していた。
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