Spotify、ビデオポッドキャストで攻勢 YouTubeに対抗
namiten
【米国本局 = シリコンバレー・東京本局 = エンターテインメント】Spotifyは来年1月からビデオポッドキャストの収益分配プログラムを始める。有料会員からの収入と広告収入の一部を視聴時間に応じて分配する。同社は音声のポッドキャストでは大半のシェアを占めるが、動画ではYouTubeに水をあけられている。音楽配信と並ぶ柱として力をいれるポッドキャスト機能で攻勢を強める。
まずは米国やカナダ、英国、オーストラリアで展開する。クリエイターは過去30日間に2000人以上から1万時間以上の視聴を得ると収益化を申請できる。プレミアム会員向けのコンテンツでは広告を挿入しない仕組みとし、視聴体験の向上も図る。
市場調査会社による2024年4月の調査では、米国でのポッドキャスト視聴者の31%がYouTubeを最も利用すると回答。Spotifyは21%で2位だ。「ビデオポッドキャストはYouTubeの独壇場で、Spotifyは後手に回ってきた」と関係者は指摘する。
Spotifyは有料会員の加入者が伸び悩んでおり、音楽以外の収益源育成を急ぐ。最近はアプリ内でTikTok風の縦スクロールでポッドキャストを視聴できる機能を導入した。若者が重視する機能をいち早く取り入れ、音楽配信で業界2位のApple Musicを突き放す。
生成AI技術を活用した字幕生成機能も年内に導入する計画で、クリエイターの制作負担を軽減する。同社は今年6月に設置した広告部門の「Spotify Creative Lab」を通じて、動画コンテンツの拡充を進める。ビデオポッドキャストをテコに、2030年までに掲げる10億人のユーザー獲得を目指す。
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