Netflix、4-6月期44%増益 市場予想上回る

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【東京総合 = テクノロジー】米動画配信大手のNETFLIXは19日、2024年4-6月期の純利益は前年同期比44%増の21.5億ドルだったと発表した。売上高は前年同期比17%増の95.6億ドル、会員数の純増数は805万人と、いずれも市場予想を上回った。総会員数は2億7765万人に達した。コロナ禍で急増した2020年の水準まで回復した。広告プランの導入など、同社の戦略転換が功を奏している。

NETFLIXは広告ビジネスを新たな収益の柱として位置づけ、拡大に力を入れてきた。広告付きプランの会員数は前四半期比34%増加し、広告導入地域では新規契約の45%以上を占めるまでに成長した。同社は2025年までに広告主にとって魅力的な規模に達すると見込んでおり、広告収入が長期的な成長を牽引すると期待を寄せている。

一方で、広告ビジネスの体制にも変化の兆しが見られる。広告販売部門のトップだったピーター・ネイラー氏の退任を受け、2023年10月に広告部門の社長に就任したエイミー・ラインハード氏が後任人事を進める方針だ。また、自社の広告技術プラットフォームの開発や、The Trade DeskやGoogle DV360などの広告技術企業との提携も推進しており、プログラマティック広告の強化を図る。

コンテンツラインナップの多角化も推進する。韓国ドラマ「涙の女王」や日本の漫画原作「シティーハンター」の実写映画など、グローバル市場で反響を呼ぶ作品を次々と投入した。さらに、スポーツコンテンツへの進出も本格化させ、NFLのクリスマス試合の配信権を獲得。ゲーム分野でも、人気ドラマ「イカゲーム」を題材にしたタイトルの開発を進めるなど、エンターテインメントの領域を拡大している。

新技術の開発も進めており、決算発表の中では生成AIの活用について言及があった。コンテンツのレコメンデーション機能の高度化などに活用する方針を示す一方、テッド・サランドス共同CEOは「新技術はコンテンツを50%安くするためではなく、10%良くするために使うことが重要だ」と述べ、技術とクリエイティビティの融合に慎重な姿勢を示している。

同日、NETFLIXは2024年連結売上高の成長率見通しが14-15%になりそうだと発表した。営業利益率も26%に上方修正した。しかし、7-9月期の売上高予想が市場予想を下回ったことや、2025年から会員数の公表を停止する方針を示したことで、一部のアナリストからは成長鈍化への懸念は絶えない。

競合他社の動向も無視できない。業界2位のAmazonが広告ビジネスを強化している。広告の規模やスポーツコンテンツの充実、広告単価の競争力などで優位性を持つ。NETFLIXは、独自コンテンツの強みを梃子に、広告ビジネスの拡充やコンテンツの多様化を進めることで、競争力の維持・向上を図る必要がある。

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