Google、サイバーセキュリティ会社「Wiz」を買収へ 3兆円規模か
namiten
速報 2:34 最終更新 10:28
【米国本局 = シリコンバレー】Googleの親会社Alphabetが、サイバーセキュリティのスタートアップ企業Wizを約230億ドル(約3.6兆円)で買収する方向で調整に入ったことが日本時間15日未明、分かった。複数の関係者の話として、米有力紙Wall Street Journalが現地時間14日、報じた。買収が実現すれば、同社のM&A(合併・買収)としては過去最大規模になる。
Wizは2020年に設立された新興企業で、クラウド環境下におけるリスクの特定・除去に特化したサービスを提供している。2023年5月の資金調達ラウンドでは、アンドリーセン・ホロウィッツをはじめとしたVC(ベンチャー・キャピタル)から出資を受け、企業価値は120億ドル(1.9兆円)まで膨らんだとされる。Googleが提示した金額はこれの約2倍にあたる。
Googleは買収を通して、クラウド事業の強化につなげる。同社は、AI機能の導入が遅れたこともあって、AmazonのAWSやMicrosoftのAzureにシェアで後れを取っていた。
2022年には同じくサイバーセキュリティ企業のMandiantを54億ドル(8500億円)で買収しており、今回のWiz買収はその延長線上にあるものと見られる。サイバーセキュリティ技術を強化し、自社サービスの安全性と信頼性を高める。
一方で、大型買収は反トラスト法(独禁法)のリスクもちらつく。米国を中心に、ビッグテックに対する規制当局の目は厳しくなっている。
Alphabetはコメントを控えた。交渉はまだ最終段階で、合意に至らない可能性もある。WSJは、「近々」合意に達するとの関係者の見方を伝えていた。
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