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Apple、インド市場の販売33%増 中国からの脱却加速

namiten

【東京総合 = テクノロジー】米Appleのインドシフトが鮮明になっている。同社は2024年3月期の売上高をインド市場で前年比33%増やした。対中制裁論が米国内で強まる中、世界第一位の人口大国であるインドの重要性が急速に高まっている。Appleの成長戦略も、インドが重要な位置を占めつつある。一方、Appleの主要市場だった中国は、2024年1-2月の販売台数が前年同期比24%減少するなど、苦戦が続いている。中国依存からの脱却を目指すAppleの成果が表れ始めた。

インドが堅調に成長していることもあり、高価格帯のiPhoneを購入できる層に厚みができた。また、Appleはインド国内での生産を拡大しており、コスト削減と安定供給を実現した。米中貿易摩擦の影響や、Huaweiをはじめとする現地メーカーの台頭が、Appleの苦戦に拍車をかけている中国市場とは対照的だ。

さらに、Appleの中国での生産体制にも課題が浮上している。鴻海精密工業の工場で、新型コロナウイルス対策を巡って従業員の大規模な抗議活動が発生した。Appleの生産体制の脆弱性を浮き彫りにすると同時に、中国一極集中のリスクを改めて認識させる契機となった。

Appleは中国依存からの脱却を急いでいる。生産拠点の分散化を進めるため、インドやベトナムでの生産を拡大した。特にインドでは、現地企業との提携を通じて生産能力を大幅に強化した。

サービス部門の強化を柱に据え、ハードウェア販売に依存しない収益構造への転換も進める。2024年1-3月期の全体の売上高が4%減少する中、同部門は14%増と好調だった。アプリストアやクラウドサービス、音楽配信などの非ハードウェア事業が、安定的な収益源として機能し始めていることの現れだ。

もっとも、中国市場の重要性は依然として高い。世界最大のスマートフォン市場であり、Appleにとって無視できない存在だからだ。ただ、政治的な不確実性や競争激化など、リスク要因も増大している。Appleは、中国市場での競争力維持と、他地域でのビジネス拡大の舵取りを迫られている。

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