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Metaが「Threads API」を一般公開へ 投稿やコンテンツ取得など

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シリーズ「交差路」では、デジタル経済に関するニュースを詳しくまとめます。

【米国総局 = テクノロジー】Metaは6月末までに、テキストSNS「Threads」のAPIを開発者に提供する。投稿の作成・公開、自分のコンテンツの取得、リプライ管理機能などを搭載する。

2023年7月5日、ブラジル。この写真のイラストでは、スマートフォンの画面にThreadsのロゴが表示されています。Threadsは、Meta Platformsの新しいソーシャルネットワークおよびメッセージングアプリです

Threadsのエンジニアリング部門ディレクターのJesse Chen氏は発表資料で、「APIを通じて、ユーザーは投稿を公開したり、自分のコンテンツを取得したりできます。また、リプライやクオートのコントロール、リプライの取得、非表示、返信などのリプライ管理機能も活用できます」と説明した。

Threads APIでは、投稿の表示回数、いいね数、リプライ数、リポスト数、クオート数などのインサイトデータの取得が可能だ。アカウントレベルでは、フォロワー数やフォロワーの人口統計なども確認できる。

APIのドキュメントも公開されており、開発者はGitHubで公開されているサンプルアプリを参考に、簡単にThreads APIの使用を開始できる。Chen氏は「サンプルアプリは実用的なガイドとして機能し、APIをより理解しやすくし、問題のトラブルシューティングにも役立ちます。統合プロセスを簡素化し、開発時間を短縮し、開発者にとってよりスムーズな実装を保証します」と述べた。

Metaは、Grabyo、Hootsuite、Social News Desk、Sprinklr、Sprout Social、Techmemeなど、少数の開発者とThreads APIのベータテストを行ってきた。各社からは、「APIの設計が優れており、オンボーディングプロセスが非常に簡単」「顧客がThreadsでコンテンツを作成・投稿し、顧客とつながり、収益を上げ、他のソーシャルチャネルと並んでパフォーマンスを分析できるようにするのが楽しみ」など、Threads APIへの期待の声が寄せられている。

Threads APIを発表するMetaの公式ホームページ
APIを発表するMetaの公式ホームページ

Threads APIでは、テキスト投稿は500文字まで、カルーセル投稿は最大10枚で最小2枚の画像が必要など、いくつかの制限事項もある。また、24時間の移動期間内でのAPIを通じた投稿は250件まで、リプライは1,000件までというレート制限もある。

画像はJPEGとPNG形式に対応し、最大8MBまで。動画はMOVまたはMP4形式で、最大5分、1GBまでとなっている。

Threads APIの提供開始により、サードパーティーによる様々な統合機能の実装が期待される。Chen氏は「クリエイター、開発者、ブランドが独自の統合を構築し、大規模にThreadsでのプレゼンスを管理し、魅力的なコンテンツをコミュニティと簡単に共有できるようになると信じています」と、Threads APIに寄せる期待を述べた。

一方、現時点でMastodonとの連携機能のベータ版は、Threadsユーザーがマストドンから投稿にアクセスしたり、マストドンサーバーにコンテンツを共有したりすることができるが、現時点ではリプライやフォローを表示することはできない。今後は、ActivityPub技術の応用も期待される。

Threads APIの提供が始まれば、サードパーティーによる多様な統合機能の実装が期待できる。ただ、Threadsが競合のXを超えるためには、単にAPIを提供するだけでは不十分だ。

現X(Twitter)がここまで強固な地位を築けたのは、オープンな開発環境と、長年にわたって第三者のサービスや個人のエンジニアたちが積み上げてきたからだ。

振り返れば、Twitterは当初からAPIを公開し、サードパーティーによる開発を積極的に後押ししてきた。その結果、Twitterクライアントや分析ツール、ボットなど、多種多様なアプリケーションが生まれ、Twitterの発展を支えた。開発者との共生関係が、Twitterのエコシステムを豊かにし、ユーザーにとっての価値を高めた。

一方、Threadsはリリース以来、APIを提供せず、サードパーティーによる開発を制限してきた。Threadsを基盤とするアプリケーションの数は限られており、エコシステムの厚みという点でTwitterに遠く及ばない。

注目度も底打ちしている。Googleの検索数は100対4と、Xが圧倒的な優位性を保っている。テキストSNSには「自由」と「面白み」が不可欠だ。

単にユーザー数を増やすだけでなく、開発者コミュニティに厚みを持たせることが肝要だ。そのためには、APIを提供して「はい終わり」ではなく、技術支援や定期的な機能追加、双方向の交流が不可欠だ。

かつてのTwitterがAPIの無償提供を終了している今、Threadsが巻き返すにはひとえにMetaが開発者コミュニティの重視し、育成に注力するかにかかっている。

開発者との共生なくして、SNSの未来はない。他の代替SNSとは違い、圧倒的な資本力と拡散力を持つMetaがこれを理解し、新しいテキストSNSの道を拓いてほしい。

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