キリン、健康食品大手のファンケルを買収へ ヘルスサイエンス強化
namiten
【東京総合 = 経済】キリンホールディングス(HD)は14日、健康食品大手のファンケルを完全子会社化すると発表した。株式公開買い付け(TOB)で議決権ベースで全株式を取得することを目指す。買収完了後も、ファンケルのブランドは維持する方針だ。
TOB価格は1株当たり2690円で、買収総額は最大2207億円となる。13日(前日)終値から4割のプレミアをつける。買付期間は6月17日から7月29日まで。ファンケルは同日、TOBに賛同する意向を表明した。
キリンHDは2019年にファンケルの筆頭株主となり、協業を進めてきた。今回の完全子会社化で経営の自由度を高め、研究開発や販路開拓で連携を強化する。ファンケルが強みを持つ通信販売や電子商取引(EC)のノウハウを取り込み、キリンHDの「ヘルスサイエンス領域」の強化につなげる狙いもある。
ファンケルの2024年3月期の連結売上高は前期比7%増の1109億円、純利益は同77%増の88億円だった。主力の化粧品事業が堅調だった。
なお、ファンケルはTOB成立を条件に2025年3月期の配当予想を無配に修正する。株主優待制度も廃止する。
14日の東京株式市場で、ファンケルの株価は制限値幅の上限まで買い気配を切り上げたが商いが成立しなかった。気配値は前日比400円(21.23%)高の2494円まで上昇した。キリンHDの株価は、前日比33.0円(1.53%)安の2129円で取引を終えた。
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