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鉄道大手8社、磁気切符廃止 QRコード式切符に移行 コスト削減・環境負荷軽く

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【東京総合 = 社会】鉄道大手8社(京成電鉄、京浜急行電鉄、新京成電鉄、西武鉄道、東京モノレール、東武鉄道、東日本旅客鉄道、北総鉄道)は2026年度をめどに、従来の磁気乗車券を廃止し、QRコードを用いた乗車券(QR乗車券)へ移行する。鉄道8社が共通のQR乗車券管理サーバーを導入する。事業者間を跨ぐ乗車券の発券が可能となる。

東京、日本-2016年10月10日:東京駅構内の自動券売機で切符を購入する乗客たち。

鉄道各社はこれまで、Suicaや PASMOなどのFelicaを搭載した交通系ICカードやクレカのタッチ決済などの普及に力を注いできた。今では乗客の約9割がタッチ決済を利用しており、従来の磁気式乗車券用の機器やシステム維持のコストは企業にとって重荷だ。磁気乗車券用の改札機器は、どのような方向から切符を挿入しても素早く読み取れるほか、穴あけなど、複雑な機構を有している。一機あたりの価格は高いものだと約1500万円にのぼり、保守・更新には高度な技術が求められる。QR乗車券への移行することで、仕組みの簡素化や改札機の小型化が期待される。無人駅などで普及している簡易型のSuica改札機も乗車券に対応させられる。

環境保全にも一役買う。従来の磁気乗車券は金属を含む用紙を使用しているため、リサイクル時に特別な処理が必要とで、環境負荷が大きかった。QR乗車券に移行すれば、環境に優しい用紙への切り替えが可能となる。昨今、環境投資の重要性が高まる中、鉄道業界も脱炭素化に向けた取り組みを加速させており、その一環として位置付ける。

利用者の利便性向上にも寄与する。非接触での処理が可能となるため、磁気乗車券特有の券詰まりなどのトラブルが解消される。また、出改札機器のメンテナンス性が向上することで、安定的なサービス提供が可能となる。

鉄道8社は、共通のQR乗車券管理サーバーを導入する方針で、他社線への乗り換え乗車券の発券もスムーズにする。利用者は、複数の鉄道会社をまたぐ際の、乗車券が一枚で済むようになる。8社は、連絡運輸で関係する他社とも協議を進める。業界一体となって利便性向上を目指す。

鉄道業界は、少子高齢化や人口減少などの構造的な課題に直面している、QR乗車券への移行は、事業の効率化と利用者の満足度向上を両立する有効な手段となり得る。一方で、新たなシステムの導入には、利用者の理解と協力が不可欠だ。高齢者でも扱いやすい仕組みの確立が求められる。

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