ICC、イスラエル首相とハマス指導者に逮捕状請求へ ガザ紛争の戦争犯罪容疑
namiten
【東京総合 = 中東】CNNなど複数の米主要メディアによると、国際刑事裁判所(ICC)のカリム・カーン検察官は20日、イスラエルのネタニヤフ首相とガラント国防相、パレスチナ・イスラム原理主義組織ハマスのガザ地区指導者に対し、昨年10月7日のイスラエル攻撃とその後のガザ紛争に関連した戦争犯罪および人道に対する罪の容疑で逮捕状の発行を請求する方針を明らかにした。
カーン検察官によると、ネタニヤフ首相とガラント国防相には民間人の意図的な殺害や、戦争の手段としての民間人に対する飢餓、人道支援物資の拒否などの容疑が持たれている。一方、シンワール氏ら3名のハマス指導者には、殺人、人質の拘束、拘束中の性的暴行などの容疑がかけられているという。
イスラエル政府はICCの管轄権に異議を唱えており、ネタニヤフ首相は先月、イスラエル当局者に対する逮捕状は「前代未聞の暴挙」になるとの見解を示していた。米国もICCの動きに反対の立場を取っている。
ICCの予審裁判部は今後、カーン検察官の逮捕状請求の是非を審理することになる。イスラエルとパレスチナの長年の対立の帰趨を左右しかねない司法判断として、国際社会の注目を集めそうだ。
昨年10月、ハマスによるイスラエル南部への攻撃で1200人が死亡。その後のガザ紛争では、パレスチナ当局によると3万5000人以上が死亡した。ほとんどが民間人とされるが、戦闘員の数は不明だ。
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