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Spotify、第1四半期は増収増益で2期ぶり黒字転換 値上げ、人員削減が奏功

namiten

【欧州総合 = 経済】音楽ストリーミング最大手のSpotify(スウェーデン)が現地時間23日発表した2024年1~3月期決算は、売上高が前年同期比20%増の36億3600万ユーロ、営業利益が1億6800万ユーロ(前年同期は1億5600万ユーロの赤字)、最終利益が1億9700万ユーロ(同2億2500万ユーロの赤字)と大幅な増収増益・黒字転換となった。為替変動の影響を除いた売上高の伸び率は21%に達し、成長が加速した。

音楽配信サービスやポッドキャスト事業の収益性改善が売上高を底上げした。昨年後半に主要市場で実施した値上げの効果も寄与した。

一方、広告収入を支えるフリーミアムプランの月間アクティブユーザー数(MAU)は前年同期比22%増の3億8800万人にとどまり、前期比では2%増と伸び悩んだ。広告収入は前年同期比で22.7%増、季節要因を無視した前期比との単純比較では-23.4%だった。MAUは6億1500万人と、第4四半期時点の予想値である6億1800万人も下回った。同社は「マーケティング活動の適正化と組織変更の中で、四半期中のMAUのボラティリティが高まった」と説明する。

ただ、主力の有料会員数は前年同期比14%増の2億3900万人に達し、順調に拡大した。スウェーデンなど北欧で提供しているファミリープランやデュオプランが牽引役となった。有料会員数の純増数は予想通りの300万人だった。

合理化の一環で、従業員数を前年同期の9,646人から約20%減の7,728人に減らしたことも利益を押し上げた。ただ株価の上昇に伴って、株式報酬に係る社会保険料が想定より7400万ユーロ膨らんだことが響き、営業利益は同社が示していた今期予想の1億8000万ユーロを約6.7%下回った。

Spotifyのロゴ

決算発表を受け、Spotify株は一時16%の大幅高となった。来期の売上高も黒字を見込む。2期連続の黒字となれば、慢性的な赤字から抜け出す最終局面であることを市場に示す重要な機会になる。同社は第2四半期の売上高が前年同期比5%増の38億ユーロ、営業利益が2億5000万ユーロになるとの見通しを示した。MAUは6億3100万人、有料会員数で2億4500万人の予想だ。為替変動の影響を除いた売上高の伸び率は5%程度になる見込みだ。

同社は2022年6月の投資家向け説明会で、2030年までに10億人のMAUを目指すと宣言している。MAU数の伸びが一服したことで目標達成への不安も出ているが、ダニエル・エク最高経営責任者(CEO)は「長期的な目標の達成に向けて順調に進んでいる」と強調した。新興国でのサービス拡大や、ポッドキャストなど音楽以外のコンテンツ強化によって、ユーザー基盤の拡大を目指す考えだ。

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