2024.04.10

ドル円、一時153円台　34年ぶり円安水準　3月米CPI発表受け急落

namiten

【東京総合 = 経済】ドルに対する主要通貨安が進んでいる。外国為替市場で10日、円は対ドルで一時およそ34年ぶりの円安水準となる153円台をつけた。日銀が当分緩和的な政策を維持するとの観測が目立つ中、米CPIが市場予想を上回ったことから円売りが優勢だ。他方、米ドルを除く主要通貨に対しては軒並み円高に触れており、市場の為替介入に対する警戒感が透ける。

財務省は口先介入などで牽制してきたが、長期的な目線での円安は避けられないとの見方が強く、円を売ってドルを買う動きが強まった。もっとも、前回の為替介入が実施された151円台後半を下回って推移することは市場にも警戒感はある。CPI発表後に1.5円に迫る勢いで円安ドル高が進んでいることから「財務省が重要視する急速な円安と受け取れる（市場関係者）」との声もあった。

米労働省は10日、3月の消費者物価指数（CPI）を発表した。前年同期比で3.5%上昇し、2ヶ月連続で伸びた。記録的な金利高の中でも米経済は冷え込まず、インフレはむしろ再加速している。

CPIは去年6月からほとんど下がっていない。第二のインフレを呼ぶとされ、日銀の植田総裁も日本のCPIで期待していた「サービス価格」が上昇したほか、3月は原油高に見舞われたことも影響した。