Apple、生成AI分野で他社モデルを利用か 開発遅れ苦渋の決断
【東京総合 = テクノロジー】Appleが生成AI分野でGoogleと協力する方向で調整に入ったことが18日、分かった。米Bloomberg通信が同日、関係者の話として報じた。具体的には、自社で設計販売を行うスマートフォンブランド「iPhone(アイフォーン)」に、Google傘下の企業が開発する生成AI「Gemini」を搭載する。生成AIの開発において、大きく遅れをとって焦るAppleが苦渋の決断を迫られている。
報道を受けて同日のGoogle株は一時6.6%を超えて上昇した。
Bloombergが匿名を条件に関係者から得た情報を報じた。Appleは、iPhoneの次期モデルに生成AIを搭載するため、自社内で生成AI開発を進めていた。しかし、2010年代から研究開発を行うGoogleやOpenAIと大きく水をあけられている。短期目線での自社開発は現実的ではないと判断した。Googleとの契約成立を急ぐ一方で、OpenAIとも利用に関するルール策定に動いているという。
実現すれば、iPhoneに「Gemini」が搭載される可能性が出てくる。GeminiはGoogleが2月に本格的に展開を開始した生成AIモデルだ。Googleによると、一部の環境では人間の専門家の目安とされる水準を上回る結果を出したという。先日には同社がオープンソースで提供するAndroidの音声アシスタント「Googleアシスタント」をGeminiに置き換えることを発表していた。
GoogleはAppleのブラウザ「Safari」で標準検索サイトに設定させるため、多額の契約料を支払っていることで知られる。生成AI分野でも協業を発表すれば、AppleとGoogleの蜜月ぶりが再び世に知れ渡る事になる。
Microsoft・OpenAI連合が市場を席巻する中で、両社同士で連合を組み対抗したい狙い。Appleは先日、Microsoftに時価総額一位の座を明け渡した。Googleも株価低迷が続く。2社の焦りが透ける。