EUに屈するApple Epicの外部ストア停止措置を撤回へ
【東京総合 = テクノロジー】Appleは日本時間9日までに、2日までにEpic側に通知していた開発者アカウントの即時停止措置を撤回することを決めた。EUで7日までに施行されたデジタル市場法の影響が強いとみられる。
Epic Gamesが8日、発表した。EUの規制当局と欧州委員会との間でEpicの開発者アカウントの再登録で合意した。Epicは8日の声明で「EU側の迅速な決定を尊重する」とEU側の対応に賛意を示した。
AppleはiOS搭載端末でアプリ内課金を行うには、AppStoreの課金システムを経由する必要があった。その際、システムの手数料として15-30%の手数料を課している。アプリ開発者側には、この手数料のせいで、無条件に最大30%取り分が減ることに不満があった。Epic Gamesは2020年に、iOS版のFortniteに無断で外部支払いシステムを導入した。AppStoreを経由するプランと横に並べ、外部システム版は30%安く見えるようにした。
これを受けてAppleが規約違反を理由にFortniteアプリをAppStoreから削除。Epicは米国で反トラスト法を根拠に相次いで訴訟を起こした。AppleとEpicの訴訟争いはネット上でも大きく話題なった。
EUは、このような大企業側の独占的な行動を受けて、今年3月からデジタル市場法を施行している。巨大IT6社22サービスを対象に、自社の力を後ろ盾にユーザーや開発者に圧力をかけることを禁止している。その一環として、外部支払いシステムの導入が認められていた。
しかしAppleは今月2日までに「Epicは過去から現在に至るまで、Appleを中傷してきた。開発者アカウントを即時停止する」と通知していた。開発者アカウントを停止されると、外部支払いシステムの導入は不可能になる。Epicはこれを欧州規制当局に通報すると明らかにしていた。