X(旧Twitter)、投稿動画に数秒の広告展開 今月から本格化 振り返りフォーマット
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X(旧Twitter)、投稿動画に数秒の広告 対象を拡大

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【米国支部 = シリコンバレー・東京総合 = テクノロジー】X(旧Twitter)は日本時間13日、2月からタイムライン上に流れるユーザーの投稿した動画に、YouTubeのような数秒の広告を差し込む動きを本格化させると発表した。YouTubeから簡単に広告を移植できることが、新規の広告主開拓に役立つと判断した。インフルエンサーに還元される収益の増加も見込まれる。当サイトは、動画内広告を12日に独自で報じていた。

発表資料:https://blog.twitter.com/en_us/topics/company/2023/creator-targeting

個人YouTuberとして世界1位の登録者を誇るMrBeast氏が「Xでどれくらい視聴されるかテストしたい」としてX上に動画を投稿したことがきっかけ。また、収益を公開するとも明かしていた。結果次第では、YouTuberがXに流入するきっかけになることからX側は、MrBeast氏の動画をタイムライン上に「ステルス広告」として大量に表示した。

キーワード「ステルス広告」

通常であれば、Xのタイムラインや返信に表示される広告には「↗︎プロモーション」とバッヂが表示され、一目で広告だとユーザーが認識できるようになっている。このバッヂを意図的に表示せず、ユーザーに広告だと認識させないものを「ステルス広告(ステマ)」という。ユーザー側の広告に対する嫌悪感を除去できることから、いいねやリポスト、返信などが増加することが多い。ただ、右上の…メニューを展開すると、「この広告を表示しない」などと表示されるため、知識があれば見分けることは可能だ。

広告であることを隠す「ステルス広告」。
メニューはプロモーションと同一のものが表示される。
(ニューヨーク = 1月)

X側の支援を受けてMrBeast氏の動画は表示回数が1億回を超え、直近のYouTubeに投稿された動画を上回った。

急速に再生回数が増えるにつれ、MrBeast氏の投稿に広告を表示したいと考える企業は増える。そこでXは、以前からテストしていた「動画内広告」を同氏のビデオに実装した。数秒の広告を、動画の再生前に表示させられる取り組みは、多くの動画プラットフォームで行われているが、テキストSNSでの実装は初めてと見られる。

結果、同氏の1週間の収益は日本円にして約4000万円を記録した。想定をこえる収益をもとに、Xに動画を投稿するインフルエンサーは急増した。MrBeast氏も2本目の動画を投稿し、「YouTubeの最新動画も見てくれないと泣いちゃう…」と反応した。

ただ、インフルエンサーがXをいきなりチヤホヤする中、海外ユーザー側の反応は辛辣だった。「このプラットフォームがさらにクソになった」との反応が大半を占める。

懸念されるのは通信量の大幅な増加だ。多くのメディアが報じたことで知名度を拡大した、表示回数を増やして収益を得ようとする「インプレゾンビ」が、動画を含んだ投稿を行うことで、タイムラインを開いた時に消費するギガ(通信量)が増加する可能性がある。テキストだけでも情報収集の効率を著しく下げたインプレゾンビが動画を投稿すれば、リプ欄のスクロール回数をさらに増やす必要が生まれる。

Blueskyがジリジリと知名度を拡大し、これまでにない脅威となりつつある現在、このような改悪とも取れるX側の施策はユーザー離れをさらに加速させかねない。

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