特許侵害のApple Watch、血中酸素測定「機能削除」へ 販売停止回避へ保身
namiten
【東京総合 = テクノロジー】Appleは、同社のスマートウォッチブランド「Apple Watch」の血中酸素測定機能に絡んだ特許侵害をめぐり、連邦高裁の判断次第では米国で同機能を廃止することを主要メディアに通知した。米カリフォルニア医療機器メーカーのマシモが訴えた特許紛争で販売停止に追い込まれないよう調整する。
対象となるのは、いずれもApple Watchブランドの「Series9」と「Ultra2」モデル。Appleは1月中旬までに、米国際貿易委員会(ITC)が特許侵害と認定した箇所の設計変更を実施し、税関当局に申請、順次承認された。税関当局は、ITCの「特許侵害」を修正したと判断した。血中酸素濃度測定が出来なくなる一方で、米国内での販売を継続できる。
一連の出来事をめぐっては、米マシモが自社の特許を侵害していると規制当局に通報し、昨年10月にITCが米国への輸入禁止措置を発出した。現在は連邦裁判所がAppleの異議申し立てで措置を停止している。
ITCは米国の特許を侵害する外国製製品の輸入を差し止める権限を管理する。Appleは製品を中国で製造していることが足枷となり、ITCの判断の対象となった。本来であれば、特許侵害は長く裁判で争う。しかし今回は輸入停止措置により設計変更など素早い行動を取らざるを得なくなった。
ただ日本で販売している製品には影響がないとみられる。
特許侵害を訴えたマシモは
「アップルが、再設計されたwatchにパルスオキシメトリが搭載されないと主張したことは、説明責任を果たす前向きな一歩だ」とし、「世界最大かつ最強の企業の1社が、中小企業の知的財産権を尊重し、侵害を指摘された場合にITC命令を順守することは特に重要だ」と声明を発表した
(声明部分は、ブルームバーグ日本語版より引用)
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