日本の「EU化」進む 政府、決済と検索エンジンの囲い込み規制へ新法
#速報18:08 #更新18:25
【東京総合 = テクノロジー】日本のEU化がさらに進むことになる。政府が、自社の決済システムや検索エンジンの優遇を規制する法案の提出を検討していることが26日、わかった。日本経済新聞電子版が「イブニングスクープ」で同日、報じた。過剰ともとれる規制当局の動きは巨大企業の大きな反発を招きそうだ。日本国内でのサービス悪化も危惧される。
政府は令和6年中にも国会に新法案を提出する。提出案では、所管を公正取引委員会にする案が浮かんでいる。独占禁止法を担当する同委員会が適任と判断した模様だ。主な規制対象になるのは①アプリストア・決済②検索③ブラウザー④OS――の4分野。EUで進むGAFAMをはじめとした巨大企業への規制の波が日本にも押し寄せる。
SafariやChromeを標準アプリ化することが規制される。ブラウザ内の標準検索エンジンもユーザーに選択権を与えるよう促す。法案では検索結果にも介入することも検討する。自社コンテンツの優遇表示をやめさせるという。
長く続いていたApp storeやGoogle Playにもテコ入れする。30%の中間手数料や外部ストアの開放などを求める。
欧州で進むEU式の規制が世界トレンドになりつつある。巨大企業による寡占状態が緩む一方で、サービスの悪化も懸念される。「日本は儲からない市場」とGAFAが割り切ってしまえば、未規制の国へと開発リソースが流される。
市場の悪化も懸念される。GAFAMの株価は2年ぶりの水準に急騰していて、各指標に占める割合も記録的な水準に切り上がっている。各国の規制強化の影響で投資家の間で売りが波及すれば、市場を巻き込んで急落する可能性もある。
行きすぎた規制は、ときに市場正常化とは逆方向に向かう。過去にも多くの企業を潰してきた。行政の過剰な市場介入に、疑問を抱かざるを得ない。