OpenAI 一転、サム・アルトマン氏がCEO復帰へ 社内圧力強まり
【欧米総合 = シリコンバレー】今月30日でサービス開始から1年が経つ、ChatGPT開発元の米スタートアップ企業OpenAIは21日、現地時間17日にCEOの座を事実上解任されたサム・アルトマン氏の復帰を決めたと発表した。共にOpenAIを離れた、ブロックマン氏もX(Twitter)に「今夜OpenAIに戻り、コーディングに戻る」と投稿した。
OpenAIを監督する取締役会のメンバーも刷新する。アルトマン氏、ブロックマン氏を除く一方で、米Quoraのアダム・ディアンジェロ氏が引き続き残る。サマーズ元米財務長官、米Salesforce, Inc.元共同CEOのテイラー氏が新たに加わる形になる。テイラー氏は会長を兼任する。
アルトマン氏らが復帰しなければ、退社するとの文書に署名した社員が9割にのぼったほか、株主からも圧力があり、同社は4日半で方針転換を余儀なくされた。
企業価値が13兆円にのぼるビッグスタートアップ企業の一連の騒動は、一週間足らずでアルトマン氏が復帰するという形で幕を閉じた。一方で、今後の情勢は見通せない。アルトマン氏は、わずか数日で自身を発端に始まった騒動で、空中分解の一歩手前まで陥ってしまった同社を引き続き担っていく重責を与えられた。企業構造も問題になっている。
同社は外部からの投資などを受けたり、従業員雇用などの背景から非営利と営利で統治構造が二重になっている。今回の騒動でこの問題の根深さを露呈した。投資家や協力企業との信頼回復も重要な鍵となる。MicrosoftはOpenAIの社員にアルトマン氏を餌に同社へと引き入れようとまでした。
多額の出資で「Microsoft依存」になったOpenAIの今後は見通せない。生成AIの代名詞にまで成り上がったOpenAIの戦いはまだまだ続きそうだ。