ニュース

外務省、在日中国大使館の処理水主張に反論 「科学的根拠なく『極めて』無責任」

namiten

福島第一原発の処理水放出をめぐり外務省は1日、先月28日に在日本中国大使館HPに掲載された内容が誤りだとする文書を発表した。

外務省は、処理水放出をめぐる中国側の主張について「科学的根拠に欠き、原子力平和利用の推進を阻害する極めて無責任」と反論している。

呉江浩駐日大使と岡野正敬外務事務次官の面会時の発言を、中国大使館HPが掲載した内容に対するもので、中国側は処理水放出をめぐり以下のように主張した。

  1. 日本側はトリチウムを除く、他の放射性物質について説明が不十分。またALPS(多各種除去設備)では一部の放射性物質を除去できない。
  2. モニタリング対象となる放射性物質や海洋生物の種類も少なく、東京電力が発表したデータの信頼性に疑問がある。
  3. IAEAのモニタリングは、他の国や国際機関の現場への参加を許していないことから透明性が不足している。

これに対し外務省は以下のように反論している。

  1. ALPS(多核種除去設備)は62の核種を確実に除去するように設計されているが、IAEAの指摘を受け、処理前の水に現実的に存在し得る核種は29核種であると考えている。IAEAは、この判断について「十分保守的かつ現実的」と評価している。また第三国機関の分析でも、その他の核種は検出されていない。
  2. 日本は「総合モニタリング計画」に基づいて、東京電力、環境省、原子力規制委員会、水産庁、福島県がモニタリングを行っている。中国の専門家を含むIAEAのレビューを受けており、東電のデータの信頼性が評価されている。また、放射性物質のモニタリングも厳格に行われている。
  3. ALPS処理水のモニタリングには、IAEA及び複数の第三国分析・研究機関が関与している。IAEAを中心としたモニタリングは国際的・客観的であり、中国側の主張は事実と異なる。IAEAの活動を貶めるような政治的な目的は受け入れられない。

と指摘し、中国側の主張について「政治的な目的によって独立した立場にあるIAEAの活動を貶めることは決して受け入れらない。IAEAの権威・権限を否定することは、IAEAの安全基準に依拠して設定された中国の安全基準さえも否定するのと同義だ。原子力の平和的利用の促進を阻害する極めて無責任な主張と言える」と非難した。

中国では現在「核汚染水反対キャンペーン」が全土で巻き起こっている。全く関係ない日本国内の事業者や個人、公共施設などへの迷惑電話も急増しており、東京都によると都内だけで少なくとも3万4000件の被害が確認されているという。

※SNSシェアの場合、必ず利用規約をご確認ください。
コンテンツの翻案、リンクを含まない引用・スクリーンショットの共有は法律・法令、当サイト利用規約で禁止されています。
サイト内PR

Google Newsでnamiten.jpをフォロー

広告
namiten.jp
namiten.jp
広報
namiten.jp広報班にお問い合せがある場合、以下の通りお願いします。

当サイト掲載情報について、法的請求がある場合…お問い合わせへ
当サイト掲載情報について、不備や依頼等がある場合…メール、Twitter DM等
広告
記事URLをコピーしました